「猫さんには健康で、長生きして欲しい」と飼い主様なら思うのではないでしょうか。
猫さんが健康で長生きするためには、体調管理がとても重要です。
ごはんの量は多くても少なくても体によくないため、猫さんにとって最適なごはんの量を見つけてあげましょう。
この記事では、あなたの大切な猫さんのために、1日に与える最適なごはんの量の決め方を説明しています。
この記事が少しでも、猫さんの体調管理のお役に立てば幸いです。
1日に与えるキャットフードの適正量
ごはんの量はパッケージに書いてある量をいったん与え、痩せてきたり太ってきた場合は、猫さんの状態に応じて調節していきましょう。
なぜならパッケージに書かれているごはん量は、平均的な活動量を基にしているため、活発な猫さんやあまり動かない猫さんでは、ごはんの量が足りなかったり、多かったりするからです。
太ってしまった猫さんの場合、飼い主さん以外に同居人がいる方は同居人に、ごはん以外におやつなどを与えていないか聞いてみましょう。
獣医師さんいわく、同居人がいて猫さんが太っている場合、飼い主さんの知らない間におやつを与えており、太ってしまったということが多いようです。
ごはん量の調節方法
今与えているごはん量で、猫さんの体が痩せてきたり太ってきたと感じた場合は、今与えているごはんの量を10%増減して、しばらく様子をみて猫さんに適正な量を決めましょう。
猫さんの適正体型を把握しよう
猫さんの体型が適正かを判断する基準に、ボディコンディションスコア(BCS)という指標があります。
このボディコンディションスコアは環境省が発表しており、このスコアを基に猫さんの現在の体型が適正なのかが判断できます。
チェック方法
ボディコンディションスコア(BCS)
飼い主のためのペットフード・ガイドライン:環境省
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide/pdf/full.pdf
猫さんの適正体型は骨格や猫種によって異なりますので、動物病院に行った際には獣医師さんに聞いてみてください。
獣医師が食事指導で使う給餌量の計算方法
より猫さんに合った、ごはんの量を与えたいという方には、獣医師さんが食事指導で使う、ごはん量の計算方法をご紹介します。
計算方法
1日に必要なエネルギー量(DER)=係数 × 安静時エネルギー必要量(RER)
RER=70 × 体重㎏0.75
体重㎏0.75は電卓で体重㎏×体重㎏×体重㎏をだしたら、√ボタンを2回押すとでます。
① まずは猫さんの安静時エネルギー必要量(RER)を求める。
例:去勢・避妊済の成猫 体重3.8㎏の場合
安静時エネルギー必要量(RER)
70×((3.8×3.8×3.8)√√)=191(小数点は四捨五入)
安静時エネルギー必要量(RER):191
② 先ほど計算でだした、安静時エネルギー必要量(RER)に係数をかけて、
1日に必要なエネルギー量を算出する。
成長期4カ月未満 | 3.0 |
成長期4~6カ月 | 2.5 |
成猫期7~12カ月 | 2.0 |
去勢・ 避妊していない成猫 | 1.4 |
去勢・避妊済の成猫 | 1.2 |
高齢期 | 1.1 |
去勢・避妊済の成猫 体重3.8㎏の1日に必要なエネルギー量(DER)
1.2×191=229(小数点は四捨五入)
1日に必要なエネルギー量(DER) :229
③ ②でだした1日に必要なエネルギー量(DER)を、
与えているフードのパッケージに書かれている代謝エネルギー量で割り、
100をかけると1日の給餌量が算出されます。
計算方法
1日の給餌量=1日に必要なエネルギー量(DER) ÷ パッケージ記載の代謝エネルギー量✕100

例:パッケージの保証成分欄に記載の代謝エネルギー量359㎉の場合
229÷358×100=64(小数点以下四捨五入)
1日の給餌量:64g
おやつの適正量
おやつの適正量としては、まず主食の総合栄養食は1日に与えるエネルギー量の80%以上は与えないと、栄養不足になってしまうため、おやつなどは1日に与えるエネルギー量の20%以下にしましょう。
また、おやつなどを与えた場合は、おやつ分の主食量は減らして与えます。
おやつを与えた場合の食事量の減らし方(計算方法)
おやつを与えた場合の、おやつ分の主食量の減らし方を説明します。
- 与えたおやつの代謝エネルギー量をパッケージで調べます。
- 与えたおやつの代謝エネルギー量に、主食の代謝エネルギー量で割り、100を掛けると減らす主食量が算出されます。
計算方法
減らす主食量=与えたおやつの代謝エネルギー量÷主食の代謝エネルギー量×100
例:おやつ1本:12㎉
主食(ドライフード)の代謝エネルギー量:358㎉
12÷358×100=3
おやつ1本を与えた場合のドライフードを減らす量:3g
たった3gくらいならいいかと思い、そのまま月に何回もおやつを与え続けると、ちりつもで肥満につながります。
月に何度もおやつを与える場合は、主食の量を減らしましょう。
また、おやつに限らず、ドライフードに何かをトッピングする場合や、ミックスフィーディングする場合は、こちらの計算方法で、ドライフードの量を必ず減らしましょう。

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この記事がお役に立てば幸いです。
覚えておきたい基礎知識