キャットフードに使われる添加物について詳しく解説

キャットフードに使用されている添加物には必要な添加物と不要な添加物があるので不要な添加物を確認しよう
キャットフードに使用されている添加物には必要な添加物と不要な添加物があるので不要な添加物を確認しよう

添加物というと、悪いイメージをもつ人が多いのではないでしょうか。
しかし添加物には、栄養バランスを補うために添加されるものや、品質保持のために必要な添加物が存在し、全てが体に悪く不要なものではありません。
正しい知識を得て、愛猫に安心して与えられるキャットフード選びに役立てください。

この記事が、あなたの愛猫のキャットフード選びに役立てば幸いです。

キャットフードに含まれる添加物の役割について

添加物というと、悪いイメージをもつ人が多いのではないでしょうか。
しかし添加物には、栄養バランスを補うために添加されるものや、品質保持のために必要な添加物が存在し、全てが体に悪く必要ないものではありません。
正しい知識を得て、愛猫に安心して与えられるキャットフード選びに役立てましょう。

なお添加物は大きく分けて、以下の3つの役割で添加されています。

「栄養バランスの調整」「品質保持」「美しく・美味しくする」

栄養バランスの調整をする添加物

キャットフードの原材料である、肉や野菜などだけでは、猫さんに必要な栄養が足りないため、栄養を補う目的で添加される添加物を、栄養添加物といいます。

栄養添加物の表示方法は、ビタミン類などの次に()を付けてビタミン名・物質名・元素名を集約して記載することができる。

添加物例ビタミン類・ミネラル類・アミノ酸 など
表示方法例ビタミン類(A、B2)

品質保持する添加物

キャットフードは製造後、長期間保管されるため、品質を保つために添加物を添加して、キャットフードの品質を保っています。
品質保持の添加物には、さらに大きく分けて下記の3つの役割で分類されています。

「微生物の繁殖を防ぐ」「酸化を防ぐ」「油脂と水分の分離を防ぐ」

微生物の繁殖を防ぐ添加物

微生物の繁殖を防ぐ添加物には、「保湿剤」「pH調整剤」「保存料」などがあります。

微生物の繁殖を防ぐ役割をもつ添加物 保湿剤

保湿剤はおもにソフトドライ・セミモイストタイプのキャットフードに使用され、微生物がキャットフードの水分を利用して繁殖できないように水分活性を下げる役割をもつ。

保湿剤には、グリセリン・プロピレングリコール・ソルビトールなどが使われている。

微生物の繁殖を防ぐ役割をもつ添加物 pH調整剤

pH調整剤は、キャットフードのpHを酸性に保つことで、微生物の増殖を防ぐ働きをもつ。

pH調整剤の表示方法は、一括名で表示することも可能です。

添加物例クエン酸・リンゴ酸 など
表示方法例クエン酸ではなくpH調整剤と記載できる
微生物の繁殖を防ぐ役割をもつ添加物 保存料

保存料は、微生物の増殖そのものを防ぐ働きがある。

保存料の表示方法は、用途名と添加物名の両方の記載が必要です。

添加物例ソルビン酸 など
表示方法例保存料(ソルビン酸)

酸化を防ぐ添加物

酸化とはキャットフードの油脂が、空気中の酸素と光・熱などにより、酸化されておこる変質のことをいいます。

このキャットフードの酸化を防止するために、酸化防止剤が添加されるのです。

この酸化防止剤が、油脂の代わりに酸化されて有害な物質に変化することで、キャットフードの酸化を遅らせます。

酸化防止剤の表示方法は、用途名と添加物名の両方の記載が必要です。

添加物例テトキシシン・BHA・BHT・ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物 など
表示方法例酸化防止剤(ミックストコフェロール)

油脂と水分の分離を防ぐ添加物

乳製品を原料とするキャットフードでは、油脂と水分の分離を防ぐために、乳化剤が使用されています。

乳化剤の表示方法は、一括名で表示することも可能です。

添加物例グリセリン脂肪酸エステル など
表示方法例グリセリン脂肪酸エステルではなく乳化剤と記載できる

美しく・美味しくする添加物

キャットフードを美しくしたり、美味しくするために使う添加物で、見た目をよくする添加物には、「着色料」「発色剤」があり、美味しくするために使われる添加物には、「増粘安定剤」「膨張剤」があります。

美しくするための役割をもつ添加物 着色料

キャットフードを美味しそうな色に整えるために添加するのが、着色料になります。

着色料の表示方法は、用途名と添加物名の両方が必要です。

添加物例赤102・カラメル色素 など
表示方法例着色料(赤102、カラメル色素)

美しくするための役割をもつ添加物 発色剤

セミモイスト・ウェットフードなどを、一定の色に整えたり、原材料の収穫時期などの色のバラつきを、抑えるために使用される。

発色剤の表示方法は、用途名と添加物名の両方が必要です。

添加物例亜硝酸ナトリウム など
表示方法例発色剤(亜硝酸ナトリウム)

美味しくするための役割をもつ添加物 増粘安定剤

ウェットフードのしっとりとした質感や、ゼリー状のとろみをつける目的で使用されるのが増粘安定剤です。

増粘安定剤の表示方法は、用途名と添加物名の両方が必要です。

添加物例でんぷん・カラギナン・グアーガム など
表示方法例増粘安定剤(でんぷん)

美味しくするための役割をもつ添加物 膨張剤

おやつなどのふっくらとした食感を出すために、使われているのが膨張剤です。

膨張剤の表示方法は、一括名で表示することも可能です。

添加物例焼ミョウバン など
表示方法例焼ミョウバンではなく膨張剤と記載できる

キャットフードに含まれる添加物の安全性はどうなのか

日本のキャットフードの添加物使用量については、2009年9月にペットフード安全法が施行され、とくに管理が必要な添加物は、使用量については基準が決められている。
しかしそれ以外の添加物については、国内外で使用可能な食品添加物および飼料添加物を参考に、ペットフード会社に使用量はゆだねられています。

また、キャットフードに使われた添加物の表示については、日本で販売するキャットフードに使用された添加物をすべて表示ることとなった。

しかし、加工助剤については表示は免除される。

加工助剤とは、キャットフードの加工の際に添加されたものが、下記のようになる添加物のことです。

  • 製造の過程で除去されるもの
  • キャットフードに含まれている成分に変えられ、その成分の量が増加しないもの
  • ごくわずかな量しか残らずキャットフードに影響をおよぼさないもの

危険とされている添加物について詳しく説明

添加物でよく危険とされているものがありますが、本当に危険なのか詳しく解説していきます。

酸化防止剤で使われているBHA・BHT・エトキシキンについて

BHA・BHT・エトキシキンは、発がん性や肝臓や腎臓への負担が心配されている添加物です。最近ではこれらの添加物を使うキャットフードは、ほとんど見かけなくなり、天然のミックストコフェロールやローズマリー抽出物が使われることがほとんどになりましたが、念のため解説しておきます。

  • BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
    BHAは酸化防止剤として使われている添加物ですが、動物実験で発がん性の可能性が指摘されていることから、危険とされていた添加物です。

    ペットフード安全法でBHA、BHT、エトキシキンの総量で、150μg/g以下という使用基準が設けられています。

    動物実験で発がん性の可能性が指摘されていたとありますが、この実験は使用基準の量をはるかに超えた量を投与していた結果であり、使用基準の量にしたがっていれば、それほど気にしなくてもよいのではないかと思います。

    また、使用基準の単位がμg/gとなっているのが、さらに分かりずらいのかもしれないので、これをgに直すと1g=0.000001gとなるため、使用基準に直すと「1gあたり0.00015g以下」となります。
    この使用量を見る限り、あまり気にする必要はない添加物だと思います。
  • BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
    BHTは酸化防止剤として使われている添加物ですが、化粧品から食品まで幅広く使われている添加物です。

    ペットフード安全法でBHA、BHT、エトキシキンの総量で、150μg/g以下という使用基準が設けられています。

    BHTは発がん性や長期にわたる摂取で、肺や肝臓などの障害のおそれがあると報告されており、まだ明らかになっていない危険性が懸念されているようです。

    そのことから最近のキャットフードでの使用は、あまり見かけなくなりましたが、BHTを使われているキャットフードがあれば、愛猫に与えるのは避けたほうがいいと思います。
  • エトキシキン
    エトキシキンは酸化防止剤として使われている添加物ですが、海外では殺虫剤や農薬などにも使われている添加物で、日本では農薬や食品には使用が認められていないのにもかかわらず、ペットフードには使用が認められている添加物です。

    ペットフード安全法でBHA、BHT、エトキシキンの総量で、150μg/g以下という使用基準が設けられています。

    エトキシキンは染色体異常を誘導する可能性と、腎臓の変異が見られると報告されています。

    エトキシキンは日本では農薬や食品には使用が認められていないのにもかかわらず、ペットフードには使用が認められているということで、使用について不安視されており、現在ではエトキシキンを使用しているキャットフードは見かけなくなりました。

キャットフードには使用を禁止されているプロピレングリコール

プロピレングリコールは猫さんが代謝できないため、プロピレングリコールを猫さんが摂取してしまうと、赤血球の異常や貧血を引き起こす可能性があり、猫さんの商品には使用が禁止されています。

なお犬さんにはこれらの症状が現れないため、保湿剤としてドックフードやシャンプーなどに使われています。

そのため犬さん猫さんと暮らしている飼い主様は、犬さんのドックフードやシャンプーにプロピレングリコールが使われているのかを確認して、プロピレングリコールが使われていたら、猫さんが食べたりしないように注意しましょう。

キャットフードに必要のない着色料

着色料で危険とされているのは、赤102などの〇色△と色と番号が記載されている着色料で、石油やタールを合成して作られていることから、色によって発がん性やアレルギーなど何らかの症状が懸念されています。

また、カラメル色素もレベルがあり、カラメル色素Ⅰ・Ⅱは安全とされていますが、カラメル色素Ⅲ・Ⅳは発がん性が指摘されています。

カラメル色素はⅠ~Ⅳのレベルがあるにもかかわらず、レベルの表示は免除されており、着色料(カラメル色素)としか記載されていないため、どのレベルのカラメル色素が使用されているのか分かりません。

そもそも猫さんは嗅覚と食感で食べ物を選んでおり、視覚的なものはあまり意識していないとされています。

なぜキャットフードに着色料が使われているのかというと、見栄えをよくして飼い主様に選んでもらうようにしているためだと考えられます。

そのため着色料については、猫さんの健康を考えるのであれば、まったく必要のない添加物です。

無添加キャットフードは本当に安全なのか?

キャットフードのパッケージによく、無添加と記載されているキャットフードを見かけると思います。

この無添加ですが、表示に明確な基準はありません。

だいたい無添加と記載されているキャットフードは、合成添加物や危険とされている添加物が含まれていないキャットフードが多いようです。

キャットフードのパッケージに記載されている無添加はあいまいなので、無添加という記載に騙されないように、飼い主様は原材料を確認して、キャットフードに何が使われているのか必ず確認しましょう。

お読みいただき、ありがとうございました。
このブログがお役に立てば幸いです。