キャットフードの種類が多く、何を基準にして猫さんに合ったキャットフードを選べばいいのか、わからずお困りの飼い主様が多いのではないでしょうか。
キャットフード選びにお困りの飼い主様に、キャットフードを選ぶ際に確認したいポイントをまとめたので、ぜひ最後までこのブログを読んで、あなたの大切な猫さんにあった、キャットフードを選んであげてください。
このブログがキャットフード選びのお役に立てば幸いです。
キャットフード選びに重要な4つのポイント
キャットフードなら何でもよいというわけではありません。
特に重要ポイント③と④は、猫さんによって違いますので、ここは必ず確認しましょう。
それでは、キャットフード選びに重要な④つのポイントを簡単にご説明していきます。
重要ポイント① 主食なら総合栄養食!
キャットフードには、総合栄養食・その他目的食・間食・療法食の4種類があります。
主食で与えるなら、必ず総合栄養食を与えましょう。
キャットフードのパッケージに必ず、表記があるので確認しましょう。
また、一般食を主食として与え続けると、栄養不足から病気になってしまうことがあります。
なお、総合栄養食は1日に与えるエネルギー量の80%以上は与えないと、栄養不足になってしまうため、一般食や間食をあげる場合は、総合栄養食80%、一般食・間食の合計20%にしましょう。
目的 | 種類 | 説明 |
---|---|---|
総合栄養食 | 主食 | 総合栄養食と新鮮な水で、必要な栄養が取れるフード |
その他目的食 | 一般食・サプリ | 総合栄養食のトッピングなどに使用 |
間食 | おやつ・スナック・トリーツ | 嗜好品 ご褒美などで与えるフード |
療法食 | 治療のためのフード | 病気を治すためのフードで獣医師の指示がある場合のみ与えるフード |
ドライフードとウェットフードはどちらがいい?
結論としては、ドライフード(総合栄養食)をメインに与えて、トッピングとしてウェットフード(その他目的食)を与えるか、ミックスフィーディングがオススメです。
理由としては以下の3つがあげられます。
フードの選択は猫さんの体調や、ご自分の経済状況などを考えて選択してください。
重要ポイント② 年齢にあったキャットフードを与えよう
年齢にあった食事を与えることが、健康維持につながり、長生きにもつながります。
それではキャットフードを選ぶポイントを年齢別に説明します。
1日のごはんの量や食事回数についてはこちらに詳しく書いています⇩
成長期(子猫期 3ヵ月~12ヵ月)のキャットフードを選ぶポイント
全年齢対応のキャットフードがありますが、全年齢対応キャットフードを成長期の子猫に、与えることはオススメしません。
なぜなら、全年齢対応キャットフードは年齢別に給餌量で必要な栄養量を調節しており、消化器官が未発達な成長期の子猫には、給餌量も消化吸収の面でもあまり適していないからです。
全年齢対応キャットフードをあげたい場合は、体の成長がある程度定まってくる、生後10ヵ月以降を目安にすると良いでしょう。それまでは、成長期用(子猫期用)のキャットフードを与えることで、子猫の健やかな成長をしっかりとサポートしてあげることをオススメします 。
成猫期(1~6歳)のキャットフードを選ぶポイント
成猫期のフードは種類が多いため、猫さんにあったキャットフードを選んであげましょう。
また、一般的に去勢・避妊手術によってホルモンバランスが変わり、手術前より代謝が落ちるため太りやすくなったり、歳を取ることで徐々に運動量が減り、太りやすくなる傾向があります。
そのため猫さんに健康に長生きしてもらうには、食事の管理が重要です。
太りやすい猫さんなら、低カロリーな総合栄養食を選んであげるなど、成猫期のキャットフードは種類が多いため、猫さんにあったキャットフードを選んであげましょう。
キャットフードの切り替えは必ずしよう。
成猫期の猫さんには、成長期(子猫期)のキャットフードを与えるのは止めましょう。
なぜなら、成長期のキャットフードは高栄養・高カロリーに作られています。
そのため成猫期に成長期用キャットフードを与え続けると、栄養過多で太ってしまったり病気になってしまうからです。
高齢期(7歳~)のキャットフードを選ぶポイント
7歳というと高齢期になりますが、高齢期でも健康な猫さんの必要な栄養量は、成猫期とほとんど変わりません。
そのため7歳になったからといって、高齢期用フードに必ず切り替えるのではなく、猫さんの健康状態や生活環境に合ったキャットフードを選びましょう。
一般的には徐々に運動量が減り、内蔵の機能も低下していくので、今あげているフードが合わなくなってきたかなと、思ったタイミングで、免疫力をサポートしてくれるものや、良質なたんぱく質が主原料のものなど、猫さんにあったキャットフードを選んであげてください。
キャットフードを変更したほうがいいか判断ができなければ、掛かり付けの獣医師さんに相談してみましょう。
「良質なたんぱく質」について知りたい方はこちらを確認⇩
全年齢対応のキャットフードがありますが、全年齢対応フードを高齢期の猫さんに、与えることはオススメしません。
なぜなら、全年齢対応キャットフードは年齢別に給餌量で必要な栄養量を調節しており、内臓機能が低下してくる高齢期の猫さんには、給餌量も栄養面でも適していないからです。
高齢期になってキャットフードを変えるならやはり、高齢期用に作られたキャットフードを選んであげる方がよいと思います。
重要ポイント③ 猫さんの好みをたくさん把握しよう!
飼い主さんが猫さんのことを思って、いいキャットフードをあげても食べてくれないこともあります。
いくらいいキャットフードでも、食べてくれなければ意味がありません。
そのため猫さんの好みを把握することは、とても重要です!
猫さんの好みは味だけではなく、食感の好みも大切です。
キャットフードが大きすぎたり、硬すぎたりすると勢いよく食べていないのに、口からポロポロこぼれたり、食べにくそうにして結局食べてくれなくなってしまいます。
そのためキャットフードの大きさや硬さ、魚とお肉のどちらが好きか、キャットフードはカリカリ派かウェット派なのかなど、猫さんの好きなものをたくさん把握しましょう。
重要ポイント④ アレルギー物質が使われいないか確認しましょう
猫さんにアレルギーがある場合は、アレルギー物質がキャットフードに使われていないか必ず確認しましょう。
キャットフード選びに役立つポイント
重要な4ポイントに加えて、さらに知っておいた方がよいポイントを追加してご説明していきます。
キャットフード選びにお役立てください。
原材料を確認しよう
原材料は使用量の多い順に記載されているので、できるだけ肉や魚が最初に記載されているものがオススメです。
また、合成着色料が使われているフードは、あまりオススメしません。
なぜなら、猫は嗅覚と食感で食べ物を選んでおり、視覚的なものはあまり意識していないからです。
飼い主さんなら自分の猫さんには、不要な添加物は与えたくないと思う人が多いのではないでしょうか。
主原料が肉や魚が好ましい理由
肉や魚のタンパク質は基準値を満たしていればいいわけではなく、必須アミノ酸の「タウリン」と、必須脂肪酸の「アラキドン酸」は動物性たんぱく質からしか取れないためです。
ミートミールなどの「〇〇ミール」とは
鶏・牛・豚肉、または食肉加工された後に残る部分を乾燥、加工処理された粉末状のものを「チキンミール」「ミートミール」といいます。
原料は肉なので、有用なたんぱく質、ミネラル類を含んでおり、ペットフード安全法で禁じられているような危険な原材料は含まれていないとされています。

このミールについては法律上は安全といっていますが、どのような部位が使用されているのかわからないため、チキンなどとハッキリ書かれている方が安心です。
ペットフード安全法とは
2009年6月に「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(通称、ペットフード安全法)」が設立され、特定の有害な成分の使用禁止や、ペットフードの成分規格と製造方法の基準等が制定された。
保障成分(栄養価)を確認しよう!
ほとんどの総合栄養食は、AAFCOが推奨している栄養価を基に作られています。
また、このAAFCOの推奨値は必要最低限の量です。
参考までにAAFCOの推奨値を記載しておきます。
成長期(子猫期) | 成猫期 | |
---|---|---|
たんぱく質 % | 30.0 | 26.0 |
脂質 % | 30.0 | 9.0 |
カルシウム % | 1.0 | 0.6 |
リン % | 0.8 | 0.5 |
マグネシウム % | 0.08 | 0.04 |
高齢期の保証成分(栄養価)について
高齢期の猫は個体差があるため、成長期や成猫期のような基準値が定められていません。
また、健康な高齢期の猫さんの必要な栄養価は、成猫期とほとんど変わりません。
そのため、キャットフードを変えた方がいいかわからない場合は、掛かり付けの獣医師さんに聞いてみましょう。
AAFCO(通称アフコ)とは
犬猫のペットフードの栄養基準やラベル表示に関するガイドラインを定めているアメリカの団体です。
日本も含め、世界のペットフードの多くはアメリカのAAFCOの栄養基準や表示に沿って製造されています。
乾物量ベースとは
フードに含まれる水分を除いた含有量のことで、パッケージに記載されている保証成分は、特別な記載がない限り水分を含んだ表示となっています。
ミネラルの含有量は必ず確認しよう!
カルシウム・リン・マグネシウムのバランスが悪いと、尿石症になるリスクが高まります。
また、カルシウム・リン・マグネシウムの比率については、明確にはされていませんが、下記の比率の範囲で作られているキャットフードが多いです。
カルシウム:リン:マグネシウム=1.2~1.4:1~0.8:0.1~0.08
フードを変える際には、今与えているフードと、同じ比率で作られているフードに変えることをオススメします。
また、マグネシウムの含有量は、フードのパッケージには記載されていないことが多いので、公式ホームページなどで必ず調べることをオススメします。
年齢別・成分(栄養価)の目安量
AAFCOから公表されている栄養価の推奨値は、必要最低限の量となりますので、ここでは年齢別に必要な栄養価の目安量を記載しました。
キャットフード選びの際に参考にしてください。
また、高齢期の目安量は、健康な猫さんでは成猫期と変わりませんので、高齢期で健康な猫さんは成猫期の目安量を参考にしてください。
猫は他の動物と比べると、たんぱく質の必要量は高いが、高すぎるたんぱく質は腎臓の負担になることから、過剰なたんぱく質の摂取は避けた方がよいとされている。
このことから多くても40%DMくらいまでが良いのではないかと思われます。
猫は加齢に伴い脂肪の吸収力が低下するため、体重が減少していくとされています。
そのため、高齢期の猫さんが痩せてきたと感じたら、推奨量以上がオススメです。
カルシウム・リン・マグネシウムの比率については、明確にはされていませんが、カルシウム・リン・マグネシウムのバランスが悪いと、尿石症になるリスクが高まります。
そのためフードを変える際には、今与えているフードと、同じ比率で作られているフードに変えることをオススメします。
高ナトリウムの長期摂取は、尿中にカルシウムの排出量増加を招くと報告されています。
これがシュウ酸カルシウム尿石症の原因かは不明とされていますが、尿中にカルシウムの排出量増加を招くと報告されているのは事実なので、やはり塩分が高いキャットフードには注意が必要です。
原産国を確認しよう
なぜ原産国を確認する必要があるのかというと、国によってペットフードに関する法律や品質管理基準が異なるためです。
以上のことからオススメな原産国は以下となります。
キャットフード選びの参考にしてください。
FEDIAF(通称フディアフ)
欧州ペットフード工業会連合で、ヨーロッパのペットフード業界を代表する団体です。
ヨーロッパにおけるペットフードの品質と安全性を確保するために、重要な役割を果たしている団体で、AAFCOより新しい基準を採用している。
AAFCO(通称アフコ)
犬猫のペットフードの栄養基準やラベル表示に関するガイドラインを定めているアメリカの団体です。
日本も含め、世界のペットフードの多くはアメリカのAAFCOの栄養基準や表示に沿って製造されています。
FDA
アメリカ食品医薬品局を指し、アメリカ合衆国の政府機関です。
アメリカにおける消費者の健康と安全を守る重要な機関で、製品をアメリカ市場に導入する際は、FDAの規制と認証プロセスを理解し、遵守することが必要とされる。
猫さんにあったキャットフードかを判断する基準
今与えているキャットフードが猫さんにあっているのか、わからないと思っている方もいるのではないでしょうか。
そんな方はフードを変えてから、約3ヵ月くらいを目安に、下記の3つを確認してみてください。
そうすると、今のキャットフードが猫さんの体にあっているのか、あっていないのかが判断できます。

お読みいただき、ありがとうございます。
この記事がお役に立てばうれしいです。